具体的な被害解決事例にはどのようなものがあるか興信所に調査を依頼して被害にあってしまいました。興信所と交渉して何とか被害を回復したいのですが、実際に被害を解決した事例はあるのでしょうか。
契約の無効・取消し・解除等を主張する内容証明郵便を送付したとしても本章Q6参照、それだけで問題が解決するとは限りません。しかし、非があると自覚している業者のほうから、和解金として、全額あるいは一部の返金を申し出てくることも予想されます。そのような場合、短期解決を願うのであれば、内容によっては和解に応じてよいかもしれません。参考までに、これまで、交渉によって被害が救済された事例を紹介します。口調査結果が虚と思われるケース婚約していた男性から別れを告げられた女性が、「私はこの仕事をして五年になりますが、あなたのケースは一ヵ月あれば片づきます」「復縁の確率は九〇パーセント以上」と告げた調査業者に対し、八四万円を支払って復縁工作を依頼したところ、その後の報告は携帯電話による電子メールを利用して行われたのみで、しかも、実際に復縁工作を行っているのかどうか疑わしい事案につき、弁護士名義で全額の返還を求める内容証明郵便を送付したところ、即座に全額の返還が行われました。業者の対応からしても、調査結果の報告は虚であった可能性が非常に高いと思われます。業者が失踪した事案でフランチャイズ展開する本社に代金返還請求をしたケース母親の離婚交渉・裁判を援護するために、父親と交際相手との浮気現場の証拠写真等客観的証拠を入手することを条件に、業者に二一〇万円の費用を支払ったところ、ずさんな調査しか行わず調査結果報告書も技巧的な作為による部分が存在した、かつ、決定的な証拠を押さえることができなかった事案について、契約当事者である相手方業者が失踪したことから、フランチャイズ展開している本社に内容証明郵便を送付したところ、本社が七五万円を支払うことで合意が成立しました。探偵・興所がフランチャイズ化するケースもみられますが、フランチャイジー支社・支店の所在や資力に問題があるときは、フランチャイザー本社の責任も視野に入れる必要があるといえます。