きちんとした報告がなされないが本当に調査をしているのか夫の浮気を疑って、探偵業者に素行調査を依頼して五〇万円を支払いました。その後、調査した結果として、「ご主人は会社に毎日出勤・退社しており、浮気はしていないから安心してください」と言われただけでした。このような簡単な報告だけでよいのか、納得できないところがあります。本当に調査をしていたのかさえ疑ってしまうのですが探偵業者が十分な調査を行ったか。
本当にご主人が浮気をしているかどうかは、当然のことながらわかりません。仮に本当は浮気をしていたとしても、それだけをもって直ちに探偵業者が嘘をついたとはいえません。要は、その探偵業者があなたから依頼を受けた調査を十分に行ったかどうかがポイントとなります。まず、あなたがどのような調査を依頼したのかを正確に把握するとともに、それに対する調査が実際に実行されたのかどうかをきちんと確認する必要があります。口報告書探偵業者の場合、通常であれば、「報告書」という形で文書による報告を行うケースが多いと思われます。あなたの場合も、口頭ではなく、文書による具体的な報告を求めてみてはいかがでしょうか。素行調査の場合、写真を撮影することも多いので、写真を添付してもらうことも忘れないでください。目に見える形での報告があれば、あなたも納得されるかもしれません。もっとも、その報告書自体がねつ造されている場合もあるのでたとえば、一日しか調査していないのにもかかわらず、数日間調査を行ったとして、その一日分の写真を数日間分のものとして流用するなど、報告書があるからといって、きちんとした調査がなされたかどうかは一概にはいえません。口依頼内容・報告形式の確認なお、何を依頼したのか、どのような形で報告を行うかは、契約締結時において双方が確認したものを文書化しておくことが、後々のトラブルを避けるうえで重要となります本章Q13・Q15参照。また、きちんとした調査がなされていないと思われる場合は、再度、調査を行うよう探偵業者に求めるべきです。探偵業者が、素人でもわかるような調査しか行っていないのにもかかわらず、居直るような態度をみせる場合などで、当初から金銭を「巻き上げる」趣旨で契約をした場合には、詐欺民法九六条を理由に契約自体を取り消すことが可能です。